2014/05/30

Freedom's Priceの日本語訳

TESOに登場する書籍"Freedom's Price"(UESPリンク)の日本語訳です。

自由の価値

ダンマーの主人とアルゴニアンの奴隷の禁じられた愛についての悲劇的な物語


 ゴールドが手渡され、取引は滞り無く終了した。波立てし者(Makes-Many-Waves)は、新たな主人の所有物となった。

 センドラサ・レイリズは、彼女の新たな戦利品がこれまで購入してきた者たちに合流するのを眺めていた。あまりにも長く波立てし者を見つめていたので、アルゴニアンの目も彼女へと向けられた。お互いの視線は直ちに逸らされた。殆ど一瞬の出来事だった。奴隷が主人と目を合わせることは、10回の鞭打ちの刑に値するからだ。

 市場と家との距離は7マイルにも満たなかったが、センドラサにとっては果てしなく感じられた。彼女は自分の家を所有し、波立てし者を迎えられる日を今や遅しと待っていたのだった。

 「残りの者を屋外の建物へと連れて行きなさい」センドラサは告げ、召使いが彼女に付き従った。「あっちの子がいいわ」と、波立てし者に向かって手を振った。「居間に連れてきてちょうだい。彼女を私の秘書にする」

 「お望みのままに、奥様」

 家に駆け込み手袋を外し、センドラサは笑い声をあげた。「ついにやったわ!思った通りになりそう」

 最後に口づけを交わしてから、どれくらい経っただろうか?人目を盗み、狂おしく罪深い時間を共に過ごしてからは?もし二人の関係が明るみに出ればどうなることか!センドラサは苦々しく思いながら、アーチェインが十分な処罰を与えなかったが為に、愛する人が売られていくのを眺めていた。

 その瞬間から、時間はまるで止まっているかのようにゆっくりと流れた。センドラサはついに波立てし者の居場所を突き止め、彼女を買い戻した。今や二人を別つものはなにもない。ついに結ばれたのだ。

 ドアが開かれ、そっと目を伏せた波立てし者が歩み出た。センドラサは傍を通り過ぎ、ドアを閉めて施錠し、彼女と向き合った。

 「ずっと会いたかった」彼女は優しく言った。

 そして熱い抱擁を交わし、センドラサは波立てし者の鱗にそっと探るように触れた。

 「奴らは貴方を拷問にかけたの?絶対に報いを受けてもらうわ!」

 波立てし者が頭を振ると、彼女のひだが付いたトゲがはためいた。「癒してくれるんですね、愛しい人よ。でもアーチェインが…」

 「大丈夫よ、あいつらみたいな裏切り者に二度と触れさせやしない」センドラサは言った。

 「聞いてください、愛しい人」波立てし者が言った。「貴方のご両親はアーチェインに、随分とお金を渡したようです。彼らがあちらこちらで目を光らせています。貴方に買われたことを知れば、私を追ってくるでしょう」

 「私が自由にしてあげる」とセンドラサは答えた。「きっと大丈夫だから」

 「そうはいかないようです」アルゴニアンは囁いた。「アーチェインは売り飛ばしたアルゴニアンが自由だろうがそうでなかろうが、気にはしません。二人で安心して暮らすなら、モロウウィンドを去らなければ」

 「分かった。だからねえ、キスして…」

 夜の帳が下りると、センドラサと波立てし者はスカイリムとの国境を目指し、北西へと旅立った。

 「リフテンなら安全でしょうか」と波立てし者は囁いた。追手を振り切るために回り道をしながら、数日旅したところだった。

 センドラサが言葉を発する前に、一本の矢が彼女の喉を貫いた。それを片手で掴み、彼女の目は驚きに見開かれた。すぐさま更なる矢が突き刺さり、ダークエルフは地面に倒れる間もなく死んでしまった。

 「さあ、これで自由だ」と物陰から姿を表したアルゴニアンの射手が言った。

 波立てし者は喋ることも動くこともできないまま、彼をただ見つめた。

 「この女に酷い目に遭わされたのか?」彼は近寄りながら尋ねた。「ブラックマーシュに帰れるんだぞ。あんたはもう奴隷じゃないんだ」

 センドラサの亡骸に縋り付き、波立てし者はむせび泣いた。

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→アーチェインって?
・アルゴニアンの部族のひとつで、大きな権力を持ち他のアルゴニアンを奴隷として売り富を得ていた。(UESP)
・帝国によって設けられた役職で、ブラックマーシュの一部地域を治めるインペリアルの助役を務める。現地のアルゴニアンによって構成される。(TESwiki)

2014/05/16

Proper Torture Techniques, Vol. 8の日本語訳

TESOに登場する書籍"Proper Torture Techniques, Vol. 8"(UESPリンク)の日本語訳です。


愛、定命の者の弱点
苦悶の女公爵 著

効果的な拷問の手法として愛を用いることについての論文

 定命の者が持つ心理の中でも特に我々を当惑させる、その奇妙な感情の形態は愛として知られている。一人の定命の者が、もう一人に対し不合理で無条件の好意を装うというものである。かのような状態は陛下の領域の住民には知り得ず、概念そのものが異質で、拷問官は大いに理解に苦しむ。この情緒的性質に浸り、精神状態を模倣する手段とすることで、拷問対象を我々の意志に屈するように操ることが可能となる。

 愛とは、強大な力そのものである。定命の者はその力を用い、偉大な英雄的功業を為すことができるのだ。では愛とは、抽象的概念に対しても向けられるのだろうか?帝国への愛、個人が信ずる神への愛、故郷への愛とは?これらの感情の形態は比較的軽薄で、我々の拷問で用いるには効果が少ない。抽象的概念へ対する愛を操ることは、平和な時代に定命の者の感情を捻くれさせるのにこそ役立てども、拷問部屋で情報を引き出すには用をなさない。

 愛を効果的な拷問の手法に取り入れたいのならば、定命の者が他者へと向ける愛こそが最大で、格段に効率的で有効である。抽象的概念への愛は定命の者の心の内にのみ存在するのに対し、他者への愛は身体領域にまで及び、魂に作用する。例えばある定命の者が、パン職人としての自分の仕事を愛しているとする。しかしその愛を定義するのは単体ではなく、精神領域の内部で複雑に事象が絡みあい、愛情を形成している。しかし息子が母に向ける愛の場合は、彼にはたった一人の母しか存在しない。もし彼からそれを奪い去れば、愛が存在していた空間には空虚が残されるのみとなる。このような定命の者同士の愛を利用して、有能な拷問官は効果的に定命の者の魂を痛めつけるのである。

 さて、ここに疑問が残される。どのように、定命の者が他者へと向ける愛を拷問の手法として用いるのか?その答えは、拷問を受ける魂とその愛情が注がれる相手との関係によって決定される。身内へと向けられる家族愛ならば、最も有効的な構想は喪失である。母親が子を愛しているならば、それを失うことには耐えられないだろう。子供の姿を母に見せた後に奪い去るのはどうだろうか?死、または誘拐を用いては?実に効果的な拷問方法となるだろう。友人間の愛ならば、絶対的な裏切り行為を見せつけるか、あるいはその友人の為に公然と裏切りを働かせるのが最良の方法である。

 ある者と精神的にあるいは肉体的に結ばれたいが、その愛が満たされないというという密かな欲求を持った定命の者と相対する場合、どうするべきだろうか?彼らが呼ぶところの「報われぬ愛」をどう取り扱うか?その場合、拷問官は愛情を誘惑的で強力な道具として利用できる。

 定命の者の取るに足らない自尊心と、自らの願望を満たしたいという不毛な欲求は、彼らの特徴のひとつだと定義される。そのあまりにも短く無意味な生涯において、己の目標を達成するという意欲が原動力になっている。定命の者の満たされぬ欲望をほんのわずかでも充足させることは、例えそれが内容を伴わない偽りであったとしても、彼らの願望の本質を誘惑し、根本的な感情を揺さぶるだろう。拷問官が犠牲者からこれらの本能を呼び覚ますことができれば、拷問の成功は保証されたも同然である。

Almalexia and the Mudcrabの日本語訳

TESOに登場する書籍"Almalexia and the Mudcrab"(UESPリンク)の日本語訳です。

アルマレクシアとマッドクラブ
ダンマー古来の訓話

 むかしむかしあるところに、たいそう困っているマッドクラブがおりました。足を引きずって歩き、咳が止まりません。彼の甲羅は歪んでいて、体中に痛みが走ります。いつも疲れ果てていて、もうすぐ死にそうだとみんなに言っていました。ある日マッドクラブは、誰ともなしに愚痴を言いながら、谷間をうろついていました。
 そこでシャルクが、自分の殻で添え木を作ってマッドクラブに差し出しました。「さあ、マッドクラブさん、これで君の足を支えればいい。」と言ってくれました。
 「いやだ、いやだ、いやだ」とマッドクラブは言います。「もうやってみたけど、うまく行かなかったんだ」
 「マッドクラブさん」と今度はアリットが話しかけます。「君の甲羅をかじって、動きやすいようちょっぴりヒビを入れてあげよう」
 マッドクラブは言います。「僕を騙そうとしているな、アリット!おやつに食べちゃうつもりだろう!」
 ちょうどこの地を訪れていたアルマレクシアは話を聞きつけて、卑しいグアルに姿を変えて谷間に現れました。
 「マッドクラブさん」と彼女は言います。「この薬を飲んで、君の咳が治るようにと作ったの」
 「グアル、君は治癒師なんかじゃないだろう。そんなものを飲むくらいなら、苦しんでる方がマシだよ」マッドクラブは答えました。
 そこでアルマレクシアが本当の姿を見せると、皆は驚き、息を呑みました。「マッドクラブよ」と彼女は言います。「皆は救いの手を差し伸べてくれた。しかしお前は拒んだ。不平を言うのが好きと見える。然らば、永遠にその身が癒えることはないだろう」
 こうしてアルマレクシアは、求めぬ者は救われない、と私達に教えてくれたのです。

Goodnight Mundus日本語訳

TESOに登場する書籍"Goodnight Mundus"(UESPリンク)の日本語訳です。
朗読とあわせてどうぞ




おやすみムンダス
タムリエルの子守唄


おおきなみどりの おはかのしたには
シャウラスいっぴき
サンダスに死んだ ドラウグルひとり

そこにはこんな 絵がいちまい

ムンダスとびこす グアルがいっぴき
ベンチにネッチ すわってにひき

スイートロールと フロストトロール
おまぬけオークと ホーカーおにく

ワバジャックもった あらしのせいれい
「マジカ」とささやく 聖蚕のそうりょ

おやすみ ムンダス
おやすみ シャウラス
ムンダスとびこす グアルにおやすみ

おやすみ サンダスに死んだドラウグル
おやすみ フロストトロール
おやすみ スイートロール

おやすみ おまぬけオークとホーカーおにく
おやすみ せいれい
おやすみ ワバジャック

そしておやすみ 「マジカ」とささやく 聖蚕のそうりょ

おやすみ、オグリム、ドレモラ、クランフィア
みんなおやすみ デイドラたち

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訳すほどのもんじゃない(し、日本語にすると韻が踏めない)けど、なんだか好きなので
語呂の良さ優先

Mottos of the Dunmeri Great Housesの日本語訳

TESOに登場する書籍"Mottos of the Dunmeri Great Houses"(UESPリンク)の日本語訳です。


ダンマーの大家の信条
ヴィリン・ギリス
あるダンマーの、常識に欠けた息子への叱責

 我が息子よ、お前はこんなに簡単なことすら覚えられず、事あるごとに我が一族の恥を晒している。これを読み、ヴァーデンフェルの大家の言葉、それぞれの守護聖人、目標と志を学ぶのだ。もし次に、取引相手の商人貴族がフラール家かドレス家か間違えるようなことがあれば、13度めの勘当を言い渡す。今度という今度は二言はない。

レドラン家:「レドランの戦士が仕えるのは、第一にトリビュナル、第二にレドラン家、第三に家族と氏族である」
…聖指導者ネレヴァルがレドラン家の守護聖人である。

インドリル家:「正義が眠ることはなし:インドリルが命じ、聖堂が従う」
…公正なる聖オルムスがインドリル家の守護聖人である。

フラール家:「公正かつ自由な交易こそが、三神への礼賛となる」
…巡礼者聖ヴェロスがフラール家の守護聖人である。

ドレス家:「文明と真理を無知なる者へ広める:我々に課せられた責務である」
…敬虔な聖ロシスがドレス家の守護聖人である。

テルヴァンニ家:「力強い意思の表明が、先人へ真の名誉をもたらす」
…挺身者聖ヴォリスがテルヴァンニ家の守護聖人である。

 第六の家、影なる家、ダゴス家の信条が欠けていることにお前は気が付かなかっただろうな。あの家はレッドマウンテンの戦いで死に、断絶したのだ。その後残った家でトリビュナルへと捧ぐ聖堂を設立した。この家を上品な連中だなどと言及することがあれば、縁を切らせてもらう。

 さて、今ので私が二度、絶縁を言い渡したことに気がついただろう。私の両手は、メファーラやヴィヴェク様ほど黒くはないからだ。直ちにお前を一族から除名するほど、強い心を持ちあわせてはいない。

 この文章を常に持ち歩き、自分の行動を省みて、我々の品位に見合った振る舞いをするように。自らの愚かさによる大恥で我々の血統を汚さぬように。もう人前で、お前をスウィット呼ばわりすることが無いのを祈る。

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スウィット=s'wit 馬鹿者、みたいな罵倒の意味

聖ヴォリス?『聖人の生涯』にも出てないですね。たぶん言及されたのはこの文章が初なんじゃないか。

2014/05/15

The Argonian Maid—An Oral Traditionの日本語訳

TESOに登場する書籍"The Argonian Maid—An Oral Tradition"(UESPリンク)の日本語訳です。 


アルゴニアンメイド…ある口承文学
技術者テレンガー 著

繰り返し伝えられる好色アルゴニアンの物語の解説

 先日、「好色アルゴニアンメイド」という、卑猥だが明るく、風刺に満ちた演劇を観ました。このような形式で、この物語がこれまで発表されなかったことに驚いています。

 私の調査によると、「好色アルゴニアンメイド」の起源は流しの吟遊詩人による長い物語で、それぞれ題名と前置きには僅かな相違点があります。しかし結末は同一です。無垢な女性が、既婚で優越的地位にある男性の誘惑に屈する、というものです。

 南方には、「好色ボズマー」「二つの月にお砂糖を」という話があるそうです。北から北西部の酒場では「ショーンヘルムのえっちなおくち」「アリクルの砂の槍」「乙女のキツキツ要塞」という物語が伝えられています。

 舞台では、登場人物それぞれの姿が観客の前に蘇ります。演技力が優れていなければ、内容は盛り上がりに欠け、ありきたりに映るでしょう。演劇とは、物語から吟遊詩人の話術を取り除いた物だからです。例えばある伝説的なカジートの語り手は、男が乙女を我が物にする策略を巧みに描写し、聞く者の鼓動と呼吸を早め、続きが待ちきれない気持ちにさせたそうです。

 実に多くの「アルゴニアンメイド」が語り手の歌から引用されています(出典は記されていませんが、だいたい私はすぐにそれと気が付きます)。乙女が男の槍やパンの塊、こぼれた瓶入りココナッツミルクを世話する話です。

 幸いにも今回の「好色アルゴニアンメイド」の演者は素晴らしく、この古い物語の新境地を見せてくれました。狩人の槍を引き合いに出し、つまらなそうにしていた観客にさえ笑いを呼び起こしました。そしてあのホールチーズは…そうですね、このような種類の物語は初めて観ました。しかし本当に、息を呑むような劇でした!

 この劇はかつては暖炉の側で語られる慎まやかなものに過ぎませんでしたが、少々くだらない娯楽の一つとして末永く愛されることになると、私は確信しています。

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「狩人の槍」→the Spear of the Hunter
Morrowindの拡張パックBloodmoonのメインクエストで、ハーシーンを倒すと手に入るらしい

つまりTES3の何百年も昔が舞台なTESOに好色アルゴニアンメイドがあるのは別におかしくなくて、当時から伝わる物語を演劇としてちゃんとまとめたのがクレッシウスおじさんなんだね、というの

そして…まさかの同タイミングでShukaさんも訳を完成させたというミラクルが発生
というわけで違いをお楽しみください
→『The Argonian Maid-An Oral Tradition』翻訳: And that brings my story up to the present moment.

2014/05/13

A Pocket Guide to Mournholdの日本語訳

TESOに登場する書籍"A Pocket Guide to Mournhold"(UESPリンク)の日本語訳です。


モーンホールドへのポケット・ガイド
モーンホールドの街の旅行案内

 ようこそ、旅人よ!光と魔法の街、モーンホールドへよくぞいらっしゃいました!このポケット・ガイドはあなたに安心な旅を提供するために、第二紀481年現在最新の、あらゆる必要な情報を、注意をもって取り揃えたものです。

 モロウウィンドの首都であるモーンホールドは、タムリエルで最も素晴らしい都市でもあります。祈りと交易を通りにもたらす旅行者たちを、我々は熱く歓迎します。

 日々数多くの巡礼者がこの都市にやってくるので、道に迷ってしまい、途方に暮れて、この街の人混みと構造にうんざりしてしまった旅行者に時折出会うでしょうが、どうかご理解ください。

 全ての来訪者をもてなすために、都市事務官が場所ごとに注意すべき点と、楽しむべき催し、従うべきトリビュナルの教えなどについてまとめました。よく読んで学び、滞在を楽しんでください!

 畏敬:モロウウィンド内外のダンマーはこの街へ、現人神トリビュナルへと祈りと畏敬を表するべく訪れます。あなたが我々ダンマーの兄弟姉妹であるならば、アルマレクシア、ヴィヴェク、ソーサ・シルのトリビュナル三柱へ敬意を払う正しい手法を知っているはずです。トリビュナル聖堂を含めた聖なる祠が街に点在し、寄進を受け付けています。

 あなたがダンマー以外の訪問者であるならば、我々模範的市民を観察し正しい行いを学ぶべきです。最も安全な行動方針は単純なものです。ダンマーのするようにし、ダンマーの言うように言うことです。そして自分の訪れている場所について、心を配ることです。

公正なるトリビュナルに異を唱える異端者に出会っても、どうか心配されませんよう。彼らへの対処は、しっかり心得ております。みなさんの旅の安全は、我々にとっての最重要事案であります。

 グレート・バザー:モーンホールドは、モロウウィンドにおける商業の中心都市でもあります。お買い物に訪れたみなさんを歓迎いたします!もしもこの素晴らしい街を訪れるのが初めてなら、衛兵に気軽にお尋ねください。商業地区への安全な近道をお教えします。

 グレート・バザーは一番大きく、活気のある市場です。皆さんの滞在での主な目的地になるでしょう。野外劇場での季節のイベントや、広場で催される流浪・受難劇、手入れの行き届いた公園で行われる公共唱歌隊の合唱、などを見逃さないようにしてください。皆さんがお買い求めになった物は、全てモーンホールドの一部として、この地を去った後の思い出となることでしょう。しかし、登録済みで認可された商人からのみお買い物をされるようにお願い致します。適切な手数料、消費税を徴収する唯一の確実な方法なのです。

 ブリンディジー・ドローム(Brindisi Dorom)広場:迷える者はブリンディジー・ドロームの彫像と庭園を眺め歩けば、安らぎを得られるでしょう。木や花々は太陽の光を求めて空へと伸び、モーンホールドの市民はトリビュナルの叡智を求めて、腕を伸ばし祈りを捧げるのです。慰めが与えられんことを!

 トリビュナル聖堂:旅行者は、モロウウィンドの現人神が住むトリビュナル聖堂を訪れるのが待ち遠しいことでしょう。熱心な訪問者の皆さんを我々は歓迎していますが、行き過ぎた者にはオーディネイターが対応に当たります。どうかご理解ください。要は、何事もほどほどにということです。熱意が抑えられないのであれば、街の各地にあるトリビュナルの祠が贖罪のための寄贈を受け付けております。

 お探しのものは、すべてここ、モーンホールドで見つかります!司祭、事務官、衛兵の我々が保証します。どうか滞在をお楽しみください!

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流浪・受難劇→a wandering passion play
passion playは「キリスト受難劇」だそうだ。なのでこれはたぶん…サマーセットで迫害を受けていたチャイマーがボエシアに導かれてモロウウィンドに辿り着いた、そのお話なんじゃないかと

”預言者で神秘主義者の聖ヴェロスは、サマーセット島の退廃的な故国からダンマーを連れ出し、約束の地モロウウィンドへと導いた。” 『聖人の生涯』
とか、いかにもな感じですね